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『7つの習慣』実践編:なぜ「緊急ではないこと」に時間を割くべきなのか(第3・第4の習慣)

前回に引き続き、私が大きな影響を受けたスティーブン・R・コヴィー博士の世界的名著『7つの習慣』の続きについてお話しします。
前回は「インサイド・アウト」と第1の習慣である「主体的であれ」について書きましたが、今回はビジネスの実行力と人間関係の質を劇的に変える第3の習慣と第4の習慣について掘り下げたいと思います。
■第3の習慣:「最優先事項を優先する」
仕事の重要度を縦軸に、緊急度を横軸に、4つの領域に分けることができます。
| 緊急 | 緊急でない | |
|---|---|---|
| 重要 | 第1領域 | 第2領域 |
| 重要でない | 第3領域 | 第4領域 |
我々はいつも基本的には締切に追われる第1領域の仕事に時間を費やしています。
私の仕事でもシステム開発には必ず納期がありますし、打合せや会議も開催日時が決まっています。
この第1領域が一番大切だと錯覚してしまいがちですが、第2領域こそが、7つの習慣では最も大切にすべき領域と位置付けられています。
将来への投資、ビジョンの明確化、ご縁を繋ぐ人間関係作り、地域活動、社内教育体制の構築、自己啓発などがこれにあたります。
これらは、緊急度合いは低いので、やらなければずっとやらないまま過ごすことができます。
しかし、これらに時間を割けば割くほど、将来、芽がでる可能性が高まり、より自己成長に繋がったり、より大きなビジネスチャンスも得る事ができるようになります。
私も独立した当初や社員が少ない時は第1領域に追われ、疲れ果てて第4領域(緊急でも重要でもない領域)をダラダラ過ごすという状況でした。
第2領域のことはほとんど何もやれませんでした。
会社が少し安定してくると、この第2領域を意識するようになります。
第1領域の納期に追われる作業などは社員に任せ、第2領域の未来に対する投資などに自分の多くの時間を割くようになりました。
経営者塾での学びも、ライオンズクラブの活動も、このブログを書くことも、全てこの第2領域ですね。
第1領域は極力、社員の皆さんにお願いすることにして、経営者である私は第2領域に注力していきたいと考えています。
■第4の習慣:「Win-Winを考える」
我々は、取引先や交渉相手がいるときは、ついつい、自分が勝つか、相手が勝つかを考えてしまいます。
これは、資本主義社会を生きている者の宿命かもしれません。
つねに誰かと競争を強いられ、勝ったか負けたかで一喜一憂します。
本当は、お互いにWin-Winになれるような関係を築くことを目指すことができればいいですが、世の中、Win-Winにならないこともとても多いものです。
私も、お客さまとの関係で、Lose-Win(私がLose)になることも受け入れなくてはいけないことがあり、辛い思いをしたことも多くありました。
しかし、7つの習慣では、Win-Winになる合意が取れないなら、「No Deal(合意をしない)」という第三の選択肢もあることを教えてくれます。
この書籍で「No Deal」という選択肢を教えていただいてからは、「申し訳ありませんが、Win-Winになれないので取引はしません」と、はっきりと断る事ができるようになりました。
私は、相手の一人勝ちを望んでいるのではなく、自分だけが勝てばいいとも思っていません。
お互いが共にWin-Winの関係になりたいのです。
それがかなわないなら、そもそも取引しないという第三の道があることで、とても気持ちが楽になりました。
七つの習慣はとても優れた自己啓発書です。
自分一人では決してたどり着けない「考え方」がぎっしりと書かれています。
世界的ベストセラーになる価値のある書籍ですね。
わたしも七つの習慣の内容を常に実践できているわけではありません。
日々の活動に追われる生活を続けていくと、思考が硬直していってしまいます。
そしてハッと、七つの習慣の教えを思いだします。
今後も自分のあり方を都度、反省しながら一生をかけて追い求めていきたいですね。